過敏性大腸炎と戦うサラリーマンのブログ

過敏性大腸炎との共存を目指す悪戦苦闘の日々を綴ります。同じ悩みを抱える人にとって少しでも助けになればと思います。

過敏性大腸炎発症のきっかけ

私が過敏性大腸炎に悩まされるようになって、はや7年近く経ちます。

どうやら今後も長い付き合いになりそうなので、いっそブログにでも書いて、同じ悩みを抱える人の助けに少しでもなればいいなと思いたちました。

 

私は現在32歳の男性で、中小企業に勤めるサラリーマンです。

でも、過敏性大腸炎に悩まされはじめる前は、大手の日系金融機関に勤めていました。

自分で言うのもなんですが、そこそこエリートコースを歩んでいたと思います。

会社での評価も同期達に比べて悪くなかったと思うし、給料もかなり良かったです。

 

が、それも事務系の部署にいる間だけでした。

畑違いの営業系部署に異動してからというもの、どうも水が合わず、もともと好きでなかった仕事が一層嫌いになってしまいました。

そもそも金融にまったく興味がないにもかかわらず、大手から内定が出たという嬉しさだけで入社を決めた浅はかな自分が悪いのですが、異動してからは一層つまらなくなり、毎日が閉塞感に満ちていました。

 

折悪しく、その頃付き合っていた彼女にも振られ、ストレスは頂点だったと思います。

ちょうどその頃から原因不明の腹痛や下痢に悩まされるようになり、気がつけば電車に乗るのが怖くなってしまいました。

 

もともと生まれつき胃腸が丈夫ではなく、下痢の頻度は多かったのですが、だからと言って外食が嫌になったり、電車に乗るのが怖いということはありませんでした。

しかし、会社で大きなストレスを抱えるようになってから、何かプレッシャーを感じるような局面、例えば取引先に行かなければならない、だとか、会議でしばらくこもらなければならない、といったときに、お腹がしくしくと痛むようになったのです。

トイレに駆け込むと、嫌な感じの液状化した下痢がちょっと出て、少し楽になります。

けれど、しばらくするとまたしくしくと痛みが起きて、また不安になってトイレに行く…というサイクルの繰り返しです。

 

おかげで毎日の通勤が地獄になってしまいました。

毎朝早起きしてトイレに篭り、3回も4回も排泄を繰り返し「よし、これでもう出ないぞ!」と思うのですが、電車に乗る直前になると「トイレに行きたくなったらどうしよう」「またお腹を壊すのでは」という恐怖に襲われます。

その恐怖が腸にプレッシャーを与え、いわば自己予言的に腹痛を生み出してしまうという悪いサイクルです。

 

当時の通勤は電車に25分ほど乗らなければなりませんでした。

普通の人にとっては何でもないことでしょう。

でも、過敏性大腸炎持ちにとって25分の乗車は無限にも等しい長さです。

一心に「お腹は大丈夫」「下痢はしない」と祈るような気持ちで、一駅一駅をやり過ごしていくのです。

お腹を意識すると痛くなるので、なるべく他のことを考えたり、ニンテンドーDSで遊んでみたり、眠ったりしようとするのですが、なかなか気をそらすのは難しいのです。

もともと神経質なので、考えまいとすると考えてしまい、意識がお腹にいくと、しくしく…と痛み始めてしまう。

 

なんども途中下車をしたこともあります。

トイレに駆け込み、何も出ないこともあれば、滝のような下痢に襲われたこともあります。下痢が出ると、恐怖が強化されてしまいます。

電車にトイレ付きの個室があればいいのに、とは過敏性大腸炎持ちの方なら誰もが夢想するのではないでしょうか。

もしくはどこでも下痢ができるパンツを開発してほしいものです。

300万円ぐらいまでなら喜んで出します。

 

どこかの研究で、過敏性大腸炎に悩まされる人のQOL、つまりクオリティオブライフ(生活の質)は、相当低いことが明らかになった、という記事を読んだことがあります。

これは全くその通りであると断言できます。

 

この病に悩まされるようになって以来、毎日お腹のことを心配していまいます。

外食は怖くてできないし、未知の場所へいくとまずトイレを確認します。

トイレの場所がわからないと、不安ですぐにお腹が痛み出してきてしまうのです。

 

私には妻子がおりますが、彼女たちにも迷惑を掛けるので申し訳ない気持ちになります。どこへ行くにも父親が落ち着かないからです。

遠方に遊びにいくのはかなりプレッシャーですし、ディズニーランドのような混雑するところは特に大きなストレスを感じます。

トイレが混雑していて、入れないことも多いからです。

「トイレに行けないかもしれない」という恐怖に支配されるあまり、どこへ出かけるのも嫌になってしまうのです。

 

「たかだかお腹が痛いだけで、死ぬわけじゃあるまい」と思われる人もいると思います。が、こればっかりは「なってごらんなさい」としか言えません。

「たかだかお腹が痛いだけ」で驚くほど生活の質が下がります。

 

思うに、過敏性大腸炎を患う人は、大半が神経質、よくいえば繊細なタイプが多いと思います。

「たかだかお腹が痛いだけ」と思える人は、そもそも過敏性大腸炎にならないでしょう。とにかく、この辛さはなかなか分かってもらえないのが悲しいところです。

 

さて、私は、過敏性大腸炎だけが原因というわけではありませんが、やはり金融という仕事が自分の人生に大きなストレスを与えている、と判断し、数年前に転職しました。

いろいろな人に反対されましたが、結果としては良かったと考えています。

仕事は面白くなりましたし、給料はもちろん減りましたが食べていくだけはもらえています。

過敏性大腸炎も、多少は好転しました。

が、完治とはいかず、今日まで相変わらず悩まされております。

 

このブログでは、いろいろ試した結果などをお伝えしつつ、過敏性大腸炎を克服できるその日までの、いわば闘病日記として綴っていきたいと考えています。